「ワークや利用者との交流をしながら就活をする?」
私は新卒でブラック企業に営業職として入社し鬱病になり、そこから多くの職を転々とする生活でした。
30歳も近づいていた3年前の私は最後の砦のような気持ちで就労移行支援施設を利用を始めました。
そして通所を始めてみると、通う前には気づかなかった多くのメリットに気づきました。
そのメリットのおかげで、それまでのように離職を繰り返すことがなくなり、安定した仕事を手に入れることが出来たのです。
そこで今回は、就労移行支援のサービスを実際に受けて就労した私自身の経験から 就労移行支援の利用をおすすめする3つの理由についてお話しさせて頂きます。
1.専門のカウンセリングを定期的に受けることができる
就労移行支援事業所のスタッフには様々な資格を持った方が勤務しています、
施設によって違いはありますが、公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、産業カウンセラー、社会保険労務士、キャリアコンサルタントなど幅広い資格を持った方が働いています。
これらの資格を持つ方と個人的に面談を申し込めば、相応の料金がかかります。
ですが就労移行支援事業所を利用すれば、利用料金の中だけでこれらのカウンセリングを受けることができます。
担当スタッフとの定期面談
利用者に対しては担当のスタッフが付いて定期的な面談を行います。常に自分の悩みや困ったことを相談できる環境を手に入れることができるというのも大きなメリットです。
また場合によってはかかりつけの病院までスタッフが同行してくれるサービスもあります。
私も就労移行に通い始めた頃は、就職や利用者とのコミュニケーションで不安なことが多く、通所が不安定になった時期がありました。
その際にも、施設スタッフやカウンセラーと相談しながら自分のペースを見つけ、通所をスムーズに行うことができた経験があります。
精神障害者の就職活動や就労までは特に孤独になりがちです。
そんな時にスタッフの方からの客観的な意見をもらいながら生活を送れるというのはとても大きなメリットとなります。
2.就職活動をする仲間ができコミュニケーションスキルを高めることができる
就労移行への通所が始まると多くのグループワークを行います。
ダイアログと呼ばれる自己開示プログラムや、理想の働き方を洗い出すワーク、また簡単な運動や屋外でのレクリエーション活動なども行います。
それらを通じて、利用者同士で多くのコミュニケーションが生まれます。またワークの中でも、他の利用者の方の考え方に触れることで、自分自身の新たな一面を発見できることもあります。
自己PR・志望動機作成での大きなメリット
このことから就労移行施設を利用することで、自分に対して他者からの客観的なフィードバックを得ることができるということに私は気づきました。
これは自己PRや志望動機を書く際にとても役立ちました。
それまでの私はネットの情報や就活本の情報に振り回せれて悩んでばかりで書類作成がとても苦手でした。
しかし色んな方の意見やフィードバックを他人からもらうことで「自分には色んな面がある。もっと自由に自分をアピールしていいんだ!」と考えるようになりました。
もし就労移行を利用しなければ、就活本やネットの情報を元に一人で自己分析をしながら悩み続けていたと思います。
就労移行を利用すれば日々のワークの中で多くの学びや気づきを得て、それらを元に「本当の自分のPRポイント」に気づくことができるのです。
3.精神疾患を抱える求職者専門の就職ノウハウがある。
最後に利用者のみなさんが気になる「本当に就職できるのか」という点に関してです。
就労移行支援のイメージとして、これまでに挙げた就労訓練のイメージが先行していることが多いかと思います。
では実際のところは就職までどのような流れを踏むのか。私の経験を交えてお話しします。
入所からの段階によって活動内容は変化する
就労移行支援の目的はあくまで就職です。
ですが、入所からいきなり就職活動をすることはありません。
まずは利用者の方とのコミュニケーションやスタッフの方との定期面談から始まります。
私の場合は進みたい仕事の方向性が曖昧だったので、過去の学生生活の経験や社会人の経験などの「自分の棚卸し」から始めました。
これは就職活動に大きく役立ちました。
自分がどのような道に今後進みたいのかを明確にすることで次の行動を悩まなくなったのです。
その後は各種プログラムを通して、生活リズムや、職場でのコミュニケーションやストレス耐性を無理なく身に付けていきます。
ここから就職活動の準備が始まります。
まずは書類の作成を行います。これも専門のスタッフの方がサポートしながら作成していきます。
さらに面接対策として模擬面接も随時行います。また医師との相談で、就労に関して問題ない旨を記載した意見書をもらうこともできます。
そして本番の面接でも、希望すれば施設のスタッフの方が同行してくれます。
私も多くの模擬面接を重ねて、苦手だった自己PRを焦らずに相手に伝えられるようになりました。
このように就労移行施設と企業と医療機関とのやりとりが常にあり、企業と就労移行施設の間で信頼関係が出来ている状態で企業の面接に行くことができるので、障害者枠での採用に関して有利な状況で自分のやりたい仕事に応募することができるのです。
まずは就労移行施設に問い合わせてみよう。
いかがだったでしょうか?
私自身、就労移行施設に通う前は多くの不安がありました。
就職できるのか、通所を継続できるのか、人間関係の不安など心配は絶えませんでした。
でも通ってみると多くの仲間ができ、スタッフの方に伴走してもらいながら自分らしい就職に向けて確実に進むことができました。