脱サラ独立して経営者を目指すなら葬儀ビジネスがいいというお話

今回は、葬儀ビジネスに興味がある人向けのお話です。

この記事における主な主張は、以下の三つにまとめられます。

①高齢化が進む日本において、葬儀市場は今後堅調に成長していく見込みが高い。
②葬儀の低価格化や小規模化をはじめとして、人々の価値観の変化に伴い葬儀の形態は多様化している。
③葬祭業界には古くからの商慣習を捨てきれない業者が数多く存在する中で、新規参入する事業者が差別化を図る方法は意外とシンプルで簡単なことである。






高齢化により拡大する葬儀屋の需要


葬儀屋は人の死に携わるビジネスであり、死亡数と市場の将来性が大きく関わってきます。

死亡数が多いほど葬儀を挙げる需要が大きくなるのでこれは至極当然のことですね。

厚生労働省の「平成28年人口動態統計(確定数)の概況」によると、日本の死亡数は1980年代から年々増加しており、2016年には統計史上最大の130万7748人という値になっています。

医療技術が日々進歩している昨今の日本においてここまで死亡数を増やしている要因は何と言っても高齢化です。

内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、2016年に人口の4分の1が65歳以上となって以降も高齢者の割合は増え続け、団塊世代が75歳以上となる2025年には人口の3割以上が高齢者になると予測されています。



また矢野経済研究所が2017年に実施した葬祭ビジネス関連事業者を対象とした調査によると、2016年の葬祭ビジネスの市場は1兆7,944億5,300万円で、前年比+0.7%という結果になったようです。

矢野経済研究所によると、高齢化と死亡数の増加にも関わらず成長率がいまいちなのは、葬儀の小規模化や低価格化が影響しているとこのことです。

ただ、今後高齢化による死亡数の上昇はほぼ確定的であるということに対して、葬儀の低価格化には下限があることから、葬祭ビジネスの市場規模は拡大していく見込みが高いと考えられるでしょう。





葬儀の形態の変化


以下は、一般財団法人日本消費者協会が「第10回葬儀についてのアンケート調査」の中で発表した葬儀会場の変化の推移についてのグラフです。


画像出典:葬儀業界の現状-内閣府ホームページ

これを見ると、1999年から15年の間で自宅での葬儀が極端に減り、その分葬儀専用式場(セレモニーホール)で葬儀を挙げる人が増加していることが分かります。

これはアパートなどの集合住宅に住む人が増えたことや、自宅での会場準備や近隣住民への配慮などを考えた場合、セレモニーホールを使用した方が手間がかからないと考える人が増えたことなどが原因であるとされています。

その他にもここ最近では、葬儀に対する価値観の変化や近所付き合いが希薄になってきていることから、葬儀の低価格化や小規模化といった現象がおきています。

また、花火に遺骨を混ぜて打ち上げる「花火葬」や、遺灰をロケットで宇宙まで飛ばす「宇宙葬」などの一見コストが掛かりそうなユニークなサービスの領域においても低価格化が進んでいます。

葬儀屋を始める際には、こうした消費者のニーズの変化を敏感にとらえ、柔軟な葬儀プランを提案していく必要があります。





葬儀屋の開業に必要な資格や許可


葬祭業を始めるのに、特に必要な資格や認可取得等はありません。

ただし、業務の中で霊柩車を取り扱う場合には陸運局に許認可申請をする必要があります。

また、最近では葬儀業関連の資格がいくつか作られているようです。

以下、実際に存在する葬儀関連の資格です。


・葬祭ディテクター
・ラストライフプランナー
・終活カウンセラー初級検定
・葬祭カウンセラー
・葬儀アドバイザー
・エンディングコーディネーター


中でも葬祭ディレクターは厚生労働省が認可している民間資格であり、受験資格として葬祭業界での実務経験が問われるということもあり、1級を取得しておくと独立後に顧客からの信頼を得やすくなる可能性があります。





葬儀屋を開業する地域の決め方


葬儀屋を開業する場合には、候補とする土地の事前調査をする必要があります。

その地域の住民の人口や高齢者比率、死亡数、宗派の割合や葬儀の形態、競合の存在などについて調べ、どれくらいの売り上げが見込めるのかを計算しましょう。

見込める顧客の人数や競合の存在によって取るべき戦略は変わってしますし、宗派によって葬儀に使用する道具は異なるので、このような事前調査は非常に大切なのです。





葬儀ビジネスで成功するために

以下、今後葬儀業界で成功するために必要なことをいくつか挙げました。



①適正価格の設定



適正価格を設定するというのはビジネスとして当たり前のことのように思えますが、こと葬儀業界においてはその限りではありません。

一般の人達は葬儀に実際どれくらいの費用がかかっているのかなどは知ることもなく、ただ葬儀屋に言われた額をそのまま払っていることがほとんどです。

また、葬儀は神聖なものであると考える人が多いことから、業者に対して葬儀代を値切るような人もほとんどいません。

このような状態の中では、どうしても適正価格を設定するインセンティブが働かず、かなり割高な葬儀代金を請求しているところも未だに多いのが現状です。

なので、もし葬儀業界に新たに参入するならば、サービスを提供するためにかかった費用と利益分を考慮した適正価格を設定するだけで他の葬儀屋と比べて料金をいくらか安くできるはずです。

またその際、費用の内訳に関する明細書を作成し、利用者に提出するようにすると価格設定のプロセスの透明化につながり、信頼獲得にもつながるでしょう。





②ITの導入

開業地域でのコネクションなどが特にない場合は、顧客を獲得するためにはWEB集客に力を入れるべきです。

葬儀業界における既存の集客方法は、提携先の病院で亡くなった患者さんの葬儀を手掛けるというやり方でした。

病院との契約で支払うリベートの相場は1つのベットに対してだいたい年間10万円で、民間の総合病院の場合には3~4件ほどの葬儀屋と契約を結んでいるといわれています。

また、病院と契約する場合には、その仲介に入る元大手葬儀事業者や提携先の医師などに対しての接待が繰り広げられ、葬儀屋はその交際費や飲食代も支払わなければなりません。

そもそも新規事業者が簡単に入り込める隙間があるのか、という問題もあるのですが、病院と提携するのは非常にコストがかかることなのです。

それに対して、WEBサイトの管理運営にはそこまで莫大な費用が掛かりません。サイトの立ち上げやSEO対策などを自前で行うこともできますし、それなりの質でサイト制作を安く請け負ってくれる業者も存在します。

今ならクラウドソーシングサービスを利用して個人に受注するのもありかもしれません。

そうして費用をなるべく抑えることができれば、その分だけお客さんが支払うべき葬儀料金を安くすることができ、競合との差別化を図ることができます。



また、昨今の葬儀業界においては、IT化をいち早く進めた企業が大きく成長しています。

例えば「アーバンフューネスコーポレーション」は、葬儀会社がITを活用することで成功している良い例です。

アーバンフューネスコーポレーションは2002年に設立され、葬儀業界でいち早くインターネット集客に力を入れた企業として注目されており、過去にはテレビ東京の「ガイアの夜明け」でも紹介されています。

同社では「葬儀ガイド」や「斎場・葬儀場ガイド」をはじめとした複数のWEBサイトを運営しており、葬儀関連のキーワードで検索した潜在顧客にリーチするための施策を打っています。


画像出典:アーバンフューネスコーポレーション

実際に、アーバンフューネスコーポレーションの売り上げの6割を占める「家族葬」で検索するとリスティング広告とwikipediaの次に同社のサイトがヒットしました。





SEO対策は万全ということですね。

またアーバンフューネスコーポレーションは「葬ロング」、や「葬ストリーム」という葬儀業界専用のアプリをリリースしています。





画像出典:アーバンフューネスコーポレーション

このように葬儀業界をターゲットにしたBtoBのアプリ開発をしているというのも、アーバンフューネスコーポレーションのユニークな点の一つと言えるでしょう。



③支払い方法の多様化

昔ながらの商売をしている葬儀業者の中には、葬儀代金を現金一括払いのみでしか受け付けないところがいくつか存在します。

葬儀には最低でも数十万円のお金がかかるもので、このような額を現金一括払いでしか受け入れないというのはあまりにも消費者に対して不親切です。

葬儀屋を開業するにあたっては、消費者のニーズに合わせてなるべく多くの支払い手段に対応するべきでしょう。

クレジットカード払いに対応するのはもちろんのこと、仮想通貨での支払いができる葬儀屋というのも面白いかもしれません。




おわりに

古くからの商慣習に縛られている業者が数多く残る中で、今後はアーバンフューネスコーポレーションのように革新的な施策を打ち出す葬儀会社が続々と登場してくるでしょう。

「当たり前のことを徹底するだけで差別化ができる」今の状況は、もしかしたらボーナスステージのようなものなのかもしれませんね。

葬儀ビジネスに興味があるという人は、なるべく早く動いたほうがいいのではないでしょうか。

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